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Tokyo Photographers Wall Magazine
「日本の写真文化 / 写真の未来について考える」を掲げ、「展示」、 「学生 企画」、「トーク&イベント」という3つの柱のもと、都心の公共空間で開催する無料のフォトフェスティバル。昨年3か所だった展示エリアは今年9か所へと拡大。東京駅を含む東京駅東側エリア (八重洲 日本橋、京橋) を舞台としたフェスティバルへと進化しました。
そのメイン企画となるのが、「Tokyo Photographers Wall Magazine」展。タイトルにもある通り、「雑誌」をテーマにしています。
なぜ雑誌なのか?それは、自分自身が「PHaT PHOTO」という雑誌に携 わっていたという背景。そして、日本の写真文化を支えてきた「アサヒカメラ」や「日本カメラ」といった写真雑誌がこの2年に次々と休刊していくことへの寂しさ。一方で、かつて雑誌が担っていた役割を近年のフェスティバ ルが継承し、その活況を呈していること。それらの点が線を結ぶように1つのアイデアへと発展しました。
「紙」ではなく「壁」の上で雑誌を創ったらどうなるんだろう。
例えば、都市の壁面に雑誌の見開きページが突如現れたら?
ページをめくるように、都市の街並みを巡る体験になったらどうか? それが、今回の企画展のテーマであり、今、手に取ってくださっている「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO」のカタログへと結実しています。
大胆に展示内容をそのまま「雑誌」にしたカタログは、写真集出版社T&M Projectsの松本知己さんと、元日本カメラの村上仁ーさんと圓谷真唯さん のチームと制作しました。 デザインを手掛けるのは 『PHaT PHOTO』のデ ザイナーでもあった渡邊隆雄さん。「日本カメラ」×『PHaT PHOTO』と呼 べるような書籍になりました。そんな視点からもこのフェスティバルを楽し んでもらえたら嬉しく思います。
最後に、屋外展示の面白さは紙やネットとは違う方法で、写真家が被写体 とする現実の中に、 写真を再び戻すということにあります。都市をメディア、 あるいはビルの壁面を支持体としたとき、「写真」 にはどんな可能性が広がるのか。"写真雑誌"から"フォトフェスティバル”へは、決して1つのメディ アから別のメディアへ置き換わることなどではなく、相互の乗り入れを可 能とする写真の新たな拡張なのです。
Fifty years have passed since that groundbreaking exhibition. To mark this anniversary, we have planned 3 shows curated by SHIRABE Bunmei, KOBAYASHI Mika, and Marc FEUSTEL that reflect on the legacy of “New Japanese Photography” from a contemporary perspective. In addition, Sandra Phillips, curator emeritus of the San Francisco Museum of Modern Art, reflects back on that exhibition from a new angle. Through the festival, we hope to shine a new light on photography in Japan and highlight the transformation that has taken place in this field over the last fifty years.